日本語変数・関数にとって、最大の敵は「入力のめんどくささ」です。
翻訳というタイムロスがない分、トータルのコーディング速度が遅いとは思いませんが、入力自体の面倒さで言えば、半角変数より面倒なのは間違いないです。
IMEを切り替える回数が半端ないですからね。
この対策として、「日本語入力をOFFのまま日本語変数を扱う」ために、
アプリケーションハンガリアン(英語の接頭詞+日本語変数名)の活用を紹介しました。
↑は一度もIMEをONにしていません。是非ご活用を。
さて、これとは全く逆の視点で、
「日本語入力をONのまま、英語部分を入力する」
という方法もあります。
その方法がタイトルの通り、「ユーザー辞書の活用」です。
要するに、
ふぁん | ⇒Function |
---|
のように変換を登録し、それでコードを入力していくわけです。
こちらはめんどくささを軽減するどころか、逆にコーディングを簡単で高速にもできるため、別に日本語変数ユーザーでなくても、プロのプログラマでも活用している人は多いと思います。(というか必須?)
しかし、意外とこのことを解説している初心者向けサイトがないため、
全く使っていない人も、多いのではないでしょうか。
使いこなせば、むしろ半角入力より高速でコーディングができますし、
構文の正確なスペルを暗記する必要を無くす効果もあります。
是非使っていきましょう。
やり方と言っても変換辞書なので、自分が打ちやすい登録をするだけなのですが、
どんなコードを登録すると良いかについては、サンプルを紹介していきますね。
頻出キーワード
fn | Function |
---|---|
えw | End With |
pg | Property Get |
おえ | On Error Resume Next |
まずはストレートに、頻出キーワードの短縮ですね。
冒頭の例では「ふぁん」としていましたが、
ユーザー辞書は子音でも登録ができます。
頭文字の子音をつなげておくと、呼び出しが簡単なうえに、
普段の文章の汚染をかなり抑えられます。
ユーザー辞書を活用する場合は、普段の文章の汚染は気をつけましょう。
「いつもOn Error Resume Nextわになっております。」
のように、唐突なダメプログラマ宣言をお客様に送ることのないよう、
十分に注意してください。
変数の定義・宣言系
あsb | As Boolean |
---|---|
あsl | As Long |
あss | As String |
dみ | Dim i As Long |
dmr | Dim R As Long |
dmc | Dim C as Long |
頻出キーワードの延長の話ですが、日本語変数を扱う場合は、
このあたりの変数宣言に関する登録は必須です。
なぜなら、変数名を打ち終わった段階では、IMEが大抵ONだからです。
型宣言も、IMEONのまま済ませてしまいましょう。
あとは、よく使う変数名はDimも含めて登録しちゃうと楽です。
ちなみに単語登録のコツとして、前後に半角スペースを入れておくのがミソです。
「 As Boolean 」と、両側に半角スペースを入れます。
※はてなブログの仕様で、↑の表は全角スペース。VBAではそれでも問題なさそう。
目的は「スペースキーの打鍵回数を半角入力時と揃える」ことと、
「入力後に余計なメンバー表示などが残ることを防ぐ」ことです。
引数の指定や、ステートメントを丸ごと
rcc | .Range(.Cells(),.Cells()) |
---|---|
ftd | Format(Date,"yyyymmdd") |
spb | .SpecialCells(xlCellTypeBlanks) |
いcr | .Interior.Color = RGB( |
いfmsy | If MsgBox("", vbYesNo) = vbYes Then |
いfmsん | If MsgBox("", vbYesNo) = vbNo then |
定型文と化しているコードは、変数や引数、プロパティ、Ifなどのステートメントも、丸ごと登録しておくと便利です。
日本語変数使用時は「.」の打ちづらさに困ることが多いので、
プロパティを登録するときは前後の「.」も入れておきましょう。
IMEをONのままゴリ押し & 切り替え忘れ時のリカバリ
ふんcちおん | Function |
---|---|
こんst | Const |
うぃth | With |
えんどぃth | End With |
えんぢf | End If |
tるえ | TRUE |
日本語変数ユーザーにとって重要なのがこれです。
IMEをONにしたまま英語をフルタイプしても、正しくコードが入力できるようにしておくということです。
「IMEを切り替えずにゴリ押ししたい」という意図的な使用と、
「まちがってONのままタイプしてしまった際のリカバリ」の両方に使えます。
私は特に「End ○○」系をよくミスるので…
前述と同様、「半角スペースを単語に含めること」が必須になります。
スペースキーを押す回数が揃っていないと、効果が片手落ちですからね。
イミディエイトウィンドウでの実行用
あcc | ActiveSheet.Copy |
---|---|
svsv | Selection.Value = Selection.Value |
scrt | Application.ScreenUpdating = True |
メインコードのコーディングだけでなく、
イミディエイトウィンドウに入力する即実行コードの登録も便利です。
活用している方は是非。
ということで、ユーザー辞書の活用例の紹介を終わります。
ユーザー辞書は、最初は登録が面倒かもしれませんが、
軌道に乗り始めればコーディングスピードがどんどん上がっていくと思います。
ガンガン使っていきましょう。