このブログの記事数が200に到達しました。
2年で到達したかった目標ですが、ちょうど3年かかってしまいました。
それでもちょっとずつは前進できているので、
マイペースに続けられるブログはやっぱりいいなと思います。
さて節目ということでたまには雑談でも。
「表意文字」の素晴らしさを語りたいと思います。
「表意文字」というとあまり馴染みがないかもしれませんが、
文字自体が意味を持っている文字、要するに漢字のことです。
※ 厳密には「表語文字」と分類したり、「中国の漢字は表語文字/日本の漢字は表意文字」と細かく分類されたりもするようです。
日本人は当たり前のように使っているので、
あたらめてこれを意識することは少ないかもしれませんね。
しかし調べてみると、21世紀現在、
主要国の公用語として使われている表意文字はほぼ「漢字」だけだそうです。
意外や意外、こんな便利なものを使っているのは、
今や日本人と中国人だけになっているみたいですね。
さて表意文字の便利さとは何かというと、
「はじめてみる単語でも何となく意味が分かること」です。
例えば「骨粗鬆症」という単語をあらためて見てください。
書けもしない漢字が一つ混じってるんですが、
それでも「なんか骨がスカスカっぽい病気」ってわかるんですよね。
医療業界で仕事をしていると、漢字がもたらす恩恵が身に沁みます。
はじめてみる病名、検査法、治療法も何となく意味がつかめますし、
それぞれのつながりが何となくつかめるのもとても助かります。
骨密度検査が骨粗鬆症を調べる検査だと推測できますからね。
英語の文献もたまに読むのですが、辞書を引く回数が尋常ではなく、
そこでいかに漢字に助けられているかを実感します。
その恩恵がどこまで効いているのかはわかりませんが、
日本は「母国語で医学を学べる国」であり、
そして「患者も母国語の用語で説明を受けれる国」なんですよね。
日本ではこれは当たり前のことなのですが、
「まず英語を学ぶ」→「英語で医学を学ぶ」
というステップが必要な国も多いんだそうです。
しかし悲しいかな、当たり前のように漢字を扱っているため、
この素晴らしさが当たり前すぎて軽視されている場面にも遭遇します。
この恩恵を授かっている医師ですら、
「○○国は研修医や学生ですら英語が喋れるから日本も見習うべき」
と語ってしまい、Twitterで燃えてるのも見かけたことがありますからね。
さて先ほど
「まず英語を学ぶ」→「英語で医学を学ぶ」
というステップが必要な国も多い。
と評しました。
これ聞き覚えありません?
もう何が言いたいかわかると思いますが、
残念ながらプログラミングにおいてはこのステップが必要です。
ソースコードに2バイト文字が使えなかったため、
母国語を活用するという文化が育たなかったのでしょうか、
日本のプログラミング文化では、この「まず英語を学べ」圧が結構強いです。
初学者に対しても、当たり前のように
「プログラミングやるなら最低限英語も勉強してくれ」
的な教育がなされますし、
変数に日本語を使うと、馬鹿にする輩までたくさんいます。
考えてみてほしいんですが、漢字を使ったら馬鹿にされる日本の業務って、
プログラミング以外に思いつきます?
そう考えると、いかに特殊な文化なのかがわかります。
しかし対して、私はプログラミングこそ漢字が活きる業務だと思うんですよね。
なぜなら「別業種のために使われる技術」だからです。
開発環境を作ったり、ライブラリを作ったりといった、
プログラマのためにプログラミングをしている人というのは相当なレベルの人で、
多くのエンジニアは「別の業種のIT支援」を行っています。
その「別業種の業務」を理解するにあたり、
意味を推測しやすい表意文字ってすごく便利なんじゃないかと。
If 骨粗鬆症判定(血糖値) Then
↑これが医療従事者でなくても何となくバグだとわかるのって、
漢字を使う民族だけが受けれる恩恵だと思いません?
ちなみに、この表意文字のメリットは、
識別子、すなわち関数名や変数名にこそ活きると思っています。
故に、Ifをもし、Thenをならにするような、
日本語プログラミング言語までは求めていません。
(子供が学ぶ上ではいい教材になると思いますが)
むしろ、構文や組込関数、ライブラリと自作関数/変数の見分けがすぐつくのも、
2バイト文字を扱う民族の特権ですよね。
こんな風に、この民族としての特権をいかにして活かすかを、
もっと考察する文化になってほしいな~と常々思っています。
と、プログラミング文化に偉そうに苦言を呈しましたが、
少しずつですが風潮が変わってきている気もします。
日本語変数に肯定的な意見も普通に目にしますし、
小学校でプログラミング教育が始まったことで、
スタートは母国語で学び始める人がかなり増えそうです。
自動翻訳の進歩も目覚ましいので、
チーム開発においても、各々が母国語で命名し、
各々の言語に翻訳されて開発ができるなんて時代も来るかもしれません。
この調子で、もう世界で唯一になってしまった表意文字を活かすプログラミング文化が育ってほしいと願いつつ、その一助になるために、また次の100記事を書いていきたいと思います。
また来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
みなさま良いお年を(´∀`)